カンサイタンポポ

関西蒲公英 キク科タンポポ属 多年草 花期:2〜5月
2006/05/25 広島城址公園で撮影
2006/05/25 広島城址公園で撮影
2006/05/25 広島城址公園で撮影
2006/05/25 広島城址公園で撮影
カンサイタンポポは黄花の在来種であり、長野県以西の本州、四国、九州、南西外に分布している。
2倍体であり、種子を作るためには他株の花粉による授粉が必要である。従って、昆虫が訪れやすいように群れて生育し、限られた期間に同時に花を咲かせる。2倍体のタンポポは変異が大きく、非常に多くといって良いほどの多数の種に分類されていた時代もある。岡山から東京までの沿岸平野では、黄色い花の咲く2倍体の在来種はカンサイタンポポ→トウカイタンポポ(静岡に局在)→カントウタンポポ(関東・中部に局在)となるはずである。
タンポポの花は多数の花が集まってできており、このような花序を「頭花」という。これらの花を外側から包んでいる緑色のものが総苞という。カンサイタンポポの総苞は、内側に長いものが一列(内片)、外側に2列の小さな総苞(外片)がある。総苞の先端部には角状の突起ができる種があるが、カンサイタンポポにはほとんど突起が出来ない。若い花では、雌しべは伸びておらず、雄しべばかりが目立つ。その後、先端が2つに分かれた雌しべが伸びてくる。雄しべが先に熟して花粉が散布され、その後に雌しべが成熟する。雄性先熟である。
セイヨウタンポポと在来のタンポポとの大きな違いは、在来種(ここではカンサイタンポポ)は総苞が反り返らないのに対し、セイヨウタンポポは総苞が大きく反り返る。

タンポポ属検索表
総苞外片は圧着または開出斜上し反曲しない 総苞と葉は緑色。花冠は黄色 総苞は小型で,花時には13ー14mm. 総苞外片の長さは内片の1/2に達しない 総苞外片は長楕円状披針形または卵状披針形で,先端に小型の小角状突起があるか,またはない.頭花は径2ー3p. カンサイタンポポ
総苞は大型で,花時には15ー20mm. 総苞外片は広卵形で鈍頭,先端に小型の小角状突起があるかまたはなく,圧着する.葉は櫛の歯状に羽状深裂する. クシバタンポポ
総苞外片の長さは内片の1/2に達する 総苞外片は卵形または卵状長楕円形で先端は尾状,先端の小角状突起は小型のものから大型のものまであり,辺縁は透明膜質で上部が帯紅色,綿毛が多く,圧着する. ヤマザトタンポポ
総苞と葉は淡緑色。花冠は白色か淡黄色。総苞外片は卵状長楕円形。 総苞外片の先端に顕著な小角状突起があり,やや開出する.痩果は淡褐色. シロバナタンポポ
総苞外片の先端の小角状突起は小さく、辺縁は透明膜質で上部が帯紅色,あまり開出しない。痩果は黒褐色. キビシロタンポポ
総苞外片は基部から反曲する 痩果は褐色.総苞外片の先端に小角状突起がない.葉は大小不規則に羽状浅裂から深裂. セイヨウタンポポ
痩果は赤褐色.総苞外片の先端に小角状突起がある.葉は細かく羽状深裂する. アカミタンポポ